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【2026年度版】労働保険の年度更新とは? やり方と変更点を解説

  • 大澤労務管理事務所
  • 5月27日
  • 読了時間: 6分
2026年度版の労働保険年度更新ガイドの告知ポスター。6/1〜7/10申告、期限7/10。カレンダーと電卓、変更点やチェックポイントを強調。

申告期間6/1〜7/10

雇用保険料率の変更・電子申請義務化への対応まで


2026年6月1日(月)、労働保険の年度更新申告の受付が開始されます。

申告・納付期限は7月10日(金)です。

年度更新は、前年度の保険料の確定精算と当該年度の概算保険料の申告・納付をあわせて行う、毎年の定例手続きです。2026年度は雇用保険料率の引き下げと、電子申請義務企業への紙の申告書の廃止という2つの変更があります。

本記事では、年度更新の仕組み、2026年度の変更点、申告書作成のチェックポイントまでを整理します。



この記事でわかること


●    労働保険(労災保険+雇用保険)と年度更新の基本

●    2026年度の変更点(雇用保険料率引き下げ・電子申請義務化の影響)

●    一元適用事業と二元適用事業の違い

●    保険料の計算に含める賃金・含めない賃金

●    労災保険と雇用保険の対象者の違い

●    口座振替の活用と申込スケジュール

●    年度更新の申告チェックリスト





1. 労働保険の年度更新とは


【労働保険の基本】

労働保険は、労災保険と雇用保険の2つの保険の総称です。保険給付はそれぞれ別に行われますが、保険料の納付は原則として一体で取り扱われます。

項目

労災保険

雇用保険

目的

業務上・通勤途上の災害に対する補償

失業時の生活安定、雇用継続の支援

保険料の負担

企業が全額負担

企業と従業員で折半

対象者

原則すべての従業員(パート・アルバイト含む)

週20時間以上+31日以上雇用見込みの従業員



【年度更新の仕組み】

年度更新とは、前年度の概算保険料の確定精算と、当該年度の概算保険料の申告・納付をあわせて行う手続きです。

項目

内容

申告期間

6月1日〜7月10日

対象

従業員を雇用するすべての企業(従業員0人でも継続する場合は対象)

確定保険料

前年度(2025/4/1〜2026/3/31)に支払った賃金の総額で算出

概算保険料

当該年度(2026/4/1〜2027/3/31)に支払う見込みの賃金の総額で算出

納付方法

一括納付 または 3回の延納(分割)



【一元適用事業と二元適用事業】

区分

内容

届く封筒

一元適用事業

労災保険と雇用保険をまとめて申告・納付。二元適用事業以外のすべての事業が該当

緑色の封筒

二元適用事業

労災保険と雇用保険を別々に申告・納付。建設業、都道府県・市区町村の事業、港湾運送業等が該当

緑色(労災)+青色(雇用)の封筒




2. 2026年度の変更点


【変更① 雇用保険料率の引き下げ】

2026年4月1日から雇用保険料率が0.1%引き下げられました。年度更新では、確定保険料(2025年度分)は旧料率、概算保険料(2026年度分)は新料率で計算します。

事業の種類

確定保険料(2025年度・旧料率)

概算保険料(2026年度・新料率)

一般の事業

14.5/1,000

13.5/1,000

農林水産・清酒製造の事業

16.5/1,000

15.5/1,000

建設の事業

17.5/1,000

16.5/1,000


【料率の適用ミスに注意】

確定保険料と概算保険料で適用する料率が異なります。旧料率と新料率を取り違えないよう、十分に注意してください。


令和8年度の雇用保険料率の詳細と計算方法については「雇用保険料率はいくら? 変更点と計算方法」で解説しています。



【変更② 電子申請義務企業への紙の申告書の廃止】

2026年度から、電子申請が義務付けられている企業には紙の申告書が送付されなくなりました。

項目

内容

対象企業

資本金1億円超の法人、相互会社、国・地方公共団体等

届く書類

従来の緑・青色の封筒ではなく、定型郵便サイズの茶封筒で「電子申請情報通知書」等が届く

申告方法

必ず電子申請(e-Gov等)で手続きを行う

通知書の内容

労働保険番号、アクセスコード等(電子申請に必要な情報)




【その他:労災保険率・一般拠出金率は据え置き】

労災保険率は2024年4月に改定済みのため、2026年度は前年度と同率です。一般拠出金率も2018年度以降変更なく、一律0.02/1,000です。




3. 保険料計算のチェックポイント


【対象者の違い(労災保険 vs 雇用保険)】

項目

労災保険

雇用保険

正社員

対象

対象

パート・アルバイト

対象

週20時間以上+31日以上の雇用見込みがある場合に対象

役員

原則対象外(労働者性がある場合は対象)

原則対象外(兼務役員は対象になる場合あり)

日雇い労働者

対象

一定の要件を満たす場合に対象

外国人労働者

対象

在留資格に応じて対象



【含める賃金・含めない賃金】

区分

具体例

含める

基本給、残業手当、通勤手当、扶養手当、住宅手当、役職手当、賞与、有給休暇中の賃金 等

含めない

出張旅費・宿泊費(実費弁償)、慶弔見舞金、退職金、結婚祝金、傷病手当金、休業補償費、解雇予告手当 等


注意:保険料算定期間中に支払いが確定した賃金は、実際にその期間中に支払っていなくても対象となります。





4. 口座振替の活用


労働保険料は口座振替で納付することができます。手数料無料で、納付書での納付より引き落としまでに最大2か月のゆとりがあります。

口座振替日

申込締切

全期・第1期

9月6日(予定)

申込締切済み

第2期

11月14日(予定)

8月14日(木)まで

第3期

2月14日(予定)

10月末頃まで





年度更新の申告チェックリスト


7月10日の申告・納付期限に向けて、以下を確認しましょう。


✓    年度更新の封筒(緑色/青色 または 茶封筒)を受け取ったか

✓    封筒に記載された登録情報(労働保険番号・事業の種類・メリット料率等)に誤りがないか確認したか

✓    労災保険と雇用保険それぞれの対象従業員を正しく抽出したか

✓    前年度(2025/4/1〜2026/3/31)に支払った賃金を月ごとに集計したか

✓    賃金に含めるもの・含めないもの(通勤手当は含む、退職金は含めない等)を正しく判定したか

✓    確定保険料は旧料率、概算保険料は新料率で計算したか(雇用保険料率の変更に注意)

✓    電子申請義務企業の場合、電子申請情報通知書の内容を確認し、e-Gov等で手続きを進めているか

✓    厚生労働省の「年度更新申告書計算支援ツール」を活用しているか

✓    口座振替を検討する場合、第2期の申込締切(8月14日)を把握しているか

✓    7月10日の申告・納付期限に間に合うスケジュールを確保しているか




まとめ


労働保険の年度更新は、従業員を雇用するすべての企業が毎年行う定例手続きです。2026年度は雇用保険料率の引き下げと、電子申請義務企業への紙の申告書の廃止という2つの変更があるため、例年以上に注意が必要です。

特に「確定保険料は旧料率・概算保険料は新料率」の使い分けは間違いやすいポイントです。厚生労働省の計算支援ツールを活用し、正確な申告を心がけましょう。

申告・納付期限の7月10日(金)は目の前です。計画的に準備を進め、期限内に手続きを完了させましょう。




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