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【令和8年度】雇用保険料率はいくら? 変更点と計算方法

  • 大澤労務管理事務所
  • 5月7日
  • 読了時間: 6分

更新日:5月11日

令和8年度雇用保険料率の変更概要。青背景に白の大文字が目立つ。右側には微笑む女性がペンを持ち資料を見る。

0.1%引き下げの詳細、新料率の適用タイミング、計算例まで徹底解説


令和8年度(2026年4月〜)の雇用保険料率は、前年度から0.1%引き下げとなりました。

雇用保険料率の変更は毎月の給与計算に直結するため、新料率の内容と適用タイミングを正確に把握しておく必要があります。

本記事では、令和8年度の雇用保険料率の詳細、新料率への切替タイミング、計算方法と具体例、さらに2028年10月に控える適用拡大まで解説します。



この記事でわかること


●    令和8年度の雇用保険料率(事業の種類別)

●    令和7年度からの変更点(0.1%引き下げの内訳)

●    新料率の適用タイミング(締日・支払日別の判断方法)

●    雇用保険料の対象となる賃金・ならない賃金

●    計算方法と具体的な計算例

●    2028年10月の適用拡大(週10時間以上)の概要





1. 令和8年度の雇用保険料率


令和8年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)の雇用保険料率は以下のとおりです。令和7年度から全体で0.1%の引き下げとなっています。

事業の種類

従業員負担

企業負担

合計

一般の事業

5/1,000(0.5%)

8.5/1,000(0.85%)

13.5/1,000(1.35%)

農林水産・清酒製造の事業

6/1,000(0.6%)

9.5/1,000(0.95%)

15.5/1,000(1.55%)

建設の事業

6/1,000(0.6%)

10.5/1,000(1.05%)

16.5/1,000(1.65%)


出典:



【令和7年度からの変更点】

項目

令和7年度

令和8年度

変更

一般の事業(合計)

14.5/1,000

13.5/1,000

▲1/1,000(0.1%引き下げ)

うち従業員負担

5.5/1,000

5/1,000

▲0.5/1,000

うち企業負担

9/1,000

8.5/1,000

▲0.5/1,000


▶経営者の視点

料率引き下げにより、企業・従業員双方の負担が軽減されます。給与計算システムの料率設定を速やかに更新し、4月分から正確に反映させましょう。




2. 新料率の適用タイミング


雇用保険料率の変更タイミングは、「4月1日以降に最初に到来する締日により支給される給与」です。締日と支払日の組み合わせによって、新料率の適用開始が異なります。

パターン

締日

支払日

新料率の適用

当月締め・当月払い

4月20日

4月30日

4月30日支払分から適用

(締日が4月1日以降のため)

末締め・翌月払い

3月31日

4月25日

4月25日支払分は旧料率。

5月25日支払分から新料率を適用

15日締め・当月25日払い

4月15日

4月25日

4月25日支払分から適用

(締日が4月1日以降のため)


【よくある間違い】

「4月に支払う給与からすべて新料率」ではありません。判断基準は「支払日」ではなく「締日」です。3月中に締日が到来している場合、4月に支払う給与であっても旧料率で計算します。





3. 雇用保険料の対象となる賃金


雇用保険料の対象となる賃金は、名称にかかわらず「労働の対償として企業が従業員に支払うすべてのもの」です。企業によって支給項目の名称が異なるため、名称ではなく実質で判断することが重要です。

区分

具体例

対象となる賃金

基本給、残業手当、通勤手当、扶養手当、住宅手当、役職手当、賞与、前払い退職金 など

対象とならない賃金

出張旅費、宿泊費(実費弁償)、慶弔見舞金、傷病手当金、休業補償費、退職金、解雇予告手当、結婚祝金 など


注意:通勤手当は雇用保険料の対象です。社会保険(健康保険・厚生年金)の算定基礎にも含まれますが、所得税は非課税枠がある点と混同しやすいので注意してください。




4. 雇用保険料の計算方法と具体例


【計算式】

雇用保険料 = 総支給額(税引前・社保控除前)× 雇用保険料率

総支給額とは、基本給に各種手当を加えた金額から、対象外の賃金(出張旅費等)を除いたものです。


【端数処理のルール】

控除方法

端数処理

給与から控除する場合

50銭以下:切り捨て / 50銭1厘以上:切り上げ

従業員が直接現金で支払う場合

50銭未満:切り捨て / 50銭以上:切り上げ


※ 労使の間で特約がある場合はその特約に従います。


【計算例(一般の事業・令和8年4月〜)】

【支給内容】

基本給:325,800円 / 扶養手当:20,000円 / 通勤手当:15,000円 / 出張旅費:20,000円


【計算】

① 対象賃金の算出:325,800 + 20,000 + 15,000 = 360,800円

※ 出張旅費20,000円は実費弁償のため対象外

② 従業員負担額:360,800 × 5/1,000 = 1,804円

③ 企業負担額:360,800 × 8.5/1,000 = 3,066.8 → 3,067円(端数切り上げ)




5. 年度更新と今後のスケジュール

徴収した雇用保険料は、毎年6月1日〜7月10日の間に行う「年度更新」で申告・納付します。令和8年度は料率変更があるため、年度更新の計算にも影響します。


【年度更新の基本】

●    申告期間:毎年6月1日〜7月10日

●    対象期間:前年度(4月1日〜翌3月31日)に支払った賃金の合計で計算

●    概算保険料と確定保険料の申告・精算を同時に行う




6. 【予告】2028年10月──適用対象の拡大


【2028年10月1日施行予定】

2024年5月に成立した改正法により、雇用保険の被保険者要件である週所定労働時間が「20時間以上」から「10時間以上」に拡大されます。これにより、短時間パート・アルバイトの多くが新たに雇用保険の対象となります。


項目

現行(〜2028年9月)

改正後(2028年10月〜)

週所定労働時間の要件

20時間以上

10時間以上

影響を受ける層

週10〜20時間の短時間労働者が新たに対象に

企業への影響

対象者の増加に伴い、雇用保険料の総額負担増・届出手続きの増加


▶経営者への推奨アクション

自社の短時間労働者の週所定労働時間を洗い出し、適用拡大による影響(対象者数・追加コスト)を事前に試算しておきましょう。




経営者のための給与計算チェックリスト


✓    給与計算システムの雇用保険料率を令和8年度の新料率に更新したか

✓    賞与計算にも新料率を反映したか

✓    締日・支払日に基づいて、新料率の適用開始タイミングを正しく判断したか

✓    通勤手当を雇用保険料の対象賃金に含めているか

✓    出張旅費等の実費弁償を対象賃金から除外しているか

✓    年度更新(6月1日〜7月10日)の準備スケジュールを確認したか

✓    2028年10月の適用拡大に向けて、短時間労働者の状況を把握しているか




まとめ


令和8年度の雇用保険料率は、全体で0.1%の引き下げとなりました。給与計算への影響は限定的ですが、料率変更のタイミング(締日基準)を誤ると過徴収・不足徴収が発生するため、正確な対応が必要です。

また、2028年10月には適用対象が週10時間以上に拡大される予定であり、短時間労働者を多く雇用する企業には大きな影響があります。今のうちから対象者数と追加コストを把握しておきましょう。

料率変更や年度更新の対応に不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。




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