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【基礎知識】生理休暇とは? 会社が知るべきルールと取得しやすい職場づくり

  • 大澤労務管理事務所
  • 9 時間前
  • 読了時間: 7分
生理休暇について説明する女性のイメージ。職場作りのための重要な情報が書かれたポスターで、女性が腹痛を抑えている姿が強調。

請求方法・有給無給の扱い・不利益取扱いの禁止・先進企業の事例まで


生理休暇の取得率は、わずか0.9%です。

生理休暇は労働基準法で定められた従業員の権利ですが、実際に取得している女性従業員は100人に1人もいません。「制度を知らない」「職場で言いづらい」が主な理由です。

企業には、請求を拒否すれば罰則があるだけでなく、安全配慮義務の観点からも取得しやすい環境を整備する責任があります。

本記事では、生理休暇の法的ルール、就業規則への規定方法、不利益取扱いの禁止、そして取得しやすい職場をつくるための具体策を解説します。


この記事でわかること


●    生理休暇の法的根拠と取得条件

●    請求方法・取得日数・取得単位のルール

●    有給か無給か──就業規則でどう定めるか

●    年次有給休暇の出勤率への影響

●    不利益取扱いの禁止と判例

●    取得率を高める先進企業の取り組み事例




1. 生理休暇とは──法律で定められた権利


生理休暇は、労働基準法第68条に基づく制度です。生理日の就業が著しく困難な女性従業員から休暇の請求があった場合、企業はその従業員を就業させてはなりません。

【請求を拒否すれば罰則あり】

生理休暇の請求を企業が拒否した場合、30万円以下の罰金が科されるおそれがあります(労働基準法第120条)。


【「就業が著しく困難」とは】

症状には個人差がありますが、「薬を使用しても痛みが続く」「生理による不快な症状が強く、1〜2日安静にしても症状が続く」などが該当するとされています。単に生理日であることだけを理由に請求できるものではなく、就業が著しく困難であることが前提です。


【取得率の現状】

厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」によると、女性従業員のうち生理休暇を請求した人の割合はわずか0.9%です。「上司が男性のため言いづらい」「取得している人が少ない」などの理由から、制度が活用されていない実態があります。




2. 生理休暇の取得ルール──早わかり一覧


生理休暇の基本ルールを整理します。

項目

内容

対象者

雇用形態を問わず、すべての女性従業員(正社員・契約社員・パート・アルバイト)

取得条件

生理日の就業が著しく困難であること

請求方法

口頭でも可。医師の診断書や特別な証明書は不要

取得日数

制限不可(就業規則で日数上限を設けることはできない)

取得単位

1日・半日・時間単位いずれも可

有給/無給

企業が決められる(就業規則に定める)

罰則

請求を拒否した場合、30万円以下の罰金


▶注意

取得日数を就業規則で制限することはできませんが、「生理休暇のうち○日までを有給とし、それ以降は無給とする」のように有給日数に上限を設けることは問題ありません。




3. 就業規則への規定──企業が決めること・決められないこと


項目

企業が決められるか

留意点

生理休暇の規定

規定義務あり

休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項

取得日数の上限

制限不可

就業規則で日数を制限する規定は無効

有給か無給か

企業が決められる

有給・無給いずれも可。就業規則に明記が必要

有給日数の上限

企業が決められる

「○日まで有給、以降無給」は適法

出勤率への算入

企業が決められる

出勤率に算入すると取得しやすくなる(推奨)

請求方法

原則として証明書不要

口頭・チャット等、負担の少ない方法が望ましい


▶10人未満の企業でも

就業規則の作成義務がない10人未満の企業であっても、従業員から生理休暇の請求があった場合は取得させなければなりません。法律に基づく権利であるため、就業規則の有無に関係なく適用されます。




4. 不利益取扱いの禁止──やってはいけないこと


生理休暇の取得を理由に、人事考課・昇給・昇格等で不利益な取扱いをしてはなりません。

ケース

適法/違法

生理休暇の取得を理由に人事評価を下げる

違法

これまで有給だった生理休暇を一方的に無給に変更する

違法(不利益変更)

出勤率算定時に生理休暇を欠勤扱いとする

適法(ただし注意あり)

上記の出勤率をもとに昇給判定を行う

違法(結果的に生理休暇取得が昇給に影響するため)


【判例あり】

生理休暇を出勤率に算入せず、その出勤率をもとに昇給判定を行ったケースについて、「法令に基づく生理休暇の取得が結果的に昇給に影響しており、公序に反する」として無効とされた判例があります。出勤率の算定方法と人事評価の関連に注意が必要です。




5. 取得しやすい職場をつくる──先進企業の取り組み事例


制度があっても使われなければ意味がありません。取得率を高めるために企業ができることを整理します。

取り組み

内容

期待される効果

請求方法の多様化

口頭・電話に加えてチャット等で請求可能にする

「言いづらい」のハードルを下げる

名称の変更

「生理休暇」を「ウェルネス休暇」等に変更

申請時の心理的負担を軽減

テレワークの活用

出勤は困難だが在宅なら就業可能な場合にテレワークを認める

完全な休暇ではなく柔軟な働き方として活用

休憩室の設置

業務中の急な体調不良に備えた休憩スペースの確保

休暇を取るほどではない場合の対応

研修・啓発活動

女性特有の健康課題(生理・PMS・更年期等)について男女問わず研修を実施

全従業員の理解促進、取得しやすい風土づくり

対象症状の拡大

PMS(月経前症候群)や更年期症状にも休暇対象を拡大

女性の健康支援の包括的な制度へ発展


▶えるぼしプラスとの関連

2026年4月に新設された「えるぼしプラス」認定は、女性の健康課題(生理痛、PMS、更年期、不妊治療等)への支援に取り組む企業を評価する制度です。生理休暇の取得促進や健康支援制度の整備は、えるぼしプラスの認定取得にもつながります。



https://www.bnc-sr.net/post/womens-empowerment-act-amendment-2026


【PMS(月経前症候群)について】

PMSとは月経前症候群のことで、生理前に精神的・身体的な症状があらわれます。頭痛、腹痛、倦怠感、イライラ、気分の落ち込みなどが代表的な症状です。近年は一般的に知られるようになり、対象症状として休暇制度に含める企業も増えています。




経営者のための生理休暇対応チェックリスト


✓    就業規則に生理休暇の規定を設けているか

✓    有給か無給かを就業規則に明記しているか

✓    取得日数に上限を設ける規定にしていないか(違法)

✓    請求方法を口頭・チャット等で簡便にしているか

✓    年次有給休暇の出勤率算定における生理休暇の取扱いを明確にしているか

✓    出勤率を用いた昇給判定で、生理休暇が不利益に影響しない設計になっているか

✓    管理職を含む全従業員に対して、生理休暇の制度と取得ルールを周知しているか

✓    女性特有の健康課題についての研修・啓発活動を実施しているか

✓    えるぼしプラス認定に向けた女性の健康支援制度の整備を検討しているか




まとめ


生理休暇は労働基準法で定められた従業員の権利であり、企業は請求を拒否することができません。しかし、取得率はわずか0.9%と、制度があっても使われていない現実があります。

経営者として重要なのは、単に「制度がある」だけでなく、「実際に取得できる職場環境」を整えることです。請求方法の多様化、名称の工夫、研修による全従業員の理解促進など、お金をかけずに始められる施策も多くあります。

女性の健康を支援する職場は、離職率の低下と人材確保にもつながります。就業規則の整備から始めてみませんか。




就業規則・女性の健康支援のご相談は大澤労務管理事務所へ


「就業規則に生理休暇の規定を入れたい」

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大澤労務管理事務所は、埼玉県川越市を拠点に、

中小企業の就業規則整備・女性活躍推進をサポートする

社会保険労務士事務所です。

生理休暇の規定整備から女性の健康支援制度の設計、

えるぼし認定の取得支援まで、

経営者に寄り添った実務支援を行っています。


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